松木泌尿器科医院

性感染症について

性感染症について
淋菌感染症(淋病)
クラミジア感染症

<性感染症について>

まず始めに、当院では基本的には痛みを感じる検査は行いません。安心して受診してください。
性病・性行為感染症…いろいろな呼び名で言われていますが、現在、学会では性感染症と呼ぶことになっています。性感染症の治療も、薬剤耐性問題などで複雑化しています。いわゆる、素人の男性・女性の間にもたくさんの患者がみられます。風俗でなければ安心というわけではありません。ここでは、当院での治療を元に性病について説明しています。

淋菌感染症(淋病)

1)淋菌性尿道炎
感染後、2~7日の潜伏期ののち、排尿時痛や外尿道口からの分泌物を自覚します。分泌物はいわゆる”膿”で、黄白色を呈することが多いです。診断は基本的に、検尿で可能です。尿沈査中に多数の白血球や淋菌を確認することによって、淋菌性尿道炎の診断がつきます。(おしっこを採るだけです)最近では、検尿の延長で精度の高い淋菌の核酸増幅検査(遺伝子診断)が可能ですので精査が必要な場合でも採ったおしっこで確定診断が可能です。
治療は抗生剤で可能ですが、症状が良くなったからといって自己終了した場合、尿道炎の再発の可能性だけでなく、後述の前立腺炎や精巣上体炎を起こす可能性があります。本邦においては(高松でも)、以前多用されたニューキノロン系の抗生剤はすでに半分以上の患者で効果がないようです。使用する薬剤は、その地域の淋病の治療経験の豊富な診療所で選択していただいたほうが良いかもしれません。

2)淋菌性子宮頚管炎
淋菌の子宮頚管への感染で発症します。自覚症状としては分泌物の増加(おりものの増加)を生じますが、自覚症状は軽いかほとんどない場合が多いようです。感染が骨盤内に波及すると発熱や痛みなど、重篤な状態へ移行します(骨盤内炎症症候群)検査は淋菌の検出によりますが、男性では高い検出率を誇る核酸増幅検査でも正診率は90%未満といわれています。

クラミジア感染症

1)クラミジア尿道炎
感染後、1~3週間の潜伏期ののち、排尿時痛や外尿道口からの分泌物を自覚します。排尿時の痛みや外尿道口分泌物などの自覚症状は 淋菌性尿道炎に比べて軽症の場合が多いようです。排尿時痛は尿道の違和感やかゆみ程度のことやまったくない場合もあります。尿道からの分泌物も淋菌感染症と異なり、透明で漿液性や粘液性で量も少ないことが多いようです。以前はやはり、尿道から分泌物を採取して分離培養検査を行っていましたが、最近では検尿の延長でクラミジア抗原の核酸増幅検査(遺伝子診断)が可能ですので、精査が必要な場合でも採ったおしっこで確定診断が可能です。クラミジア感染症は採血で抗体(クラミジア感染の痕)を検査して診断を行うこともあります。
治療は抗生剤で可能ですが、やはりきちんと治癒したことを確認する必要があります。症状が良くなったからといって自己終了した場合、尿道炎の再発の可能性だけでなく、後述の前立腺炎や精巣上体炎を起こす可能性があります。現在、一回の内服で治療可能な抗生剤が保健適応となりました。

※クラミジア前立腺炎・クラミジア精巣上体炎
クラミジア感染症は自覚症状に乏しいため受診までに時間がかかり、淋菌感染症より精路感染症を多く発症してしまいます。これらの感染症は、尿道から精路を逆行して前立腺や精巣上体(副睾丸と言われていたところ)へクラミジア感染が及んだ状態です。

2)クラミジア子宮頚管炎
女性のクラミジア感染症は約半数でまったく自覚症状がないとも言われていますが、自覚症状としては分泌物の増加(おりものの増加)を生じます。淋菌より多くの頻度で感染が骨盤内に及び、発熱や痛みなど、重篤な状態になりやすいとされています。

※骨盤内炎症症候群
子宮付属器炎(卵管炎、卵巣炎)や骨盤部の腹膜炎をいいます。クラミジアは淋菌より高頻度で発症します。急性腹症(腹部の急激な痛み)として救急外来へ受診することもあります。また、卵管炎は後遺症として卵管障害により、卵管妊娠や不妊症の原因となります。

その他随時追加予定です。

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