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ドクターナビ

当院の取り組み

在宅排尿管理 | 介護施設における排尿管理

介護施設における排尿管理

介護老人福祉施設における排尿管理の試み

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対象者背景


介護老人福祉施設入所中の61名(男:女=21:40)
平均年齢:80.8歳
平均介護度:3.1
期間:2003年1月〜2004年2月

方法


排尿管理マニュアルに基づき、オムツはずしを試みる。

・排尿日誌と排尿チェック表の作成
医療職ではなく、介護職が施行する。
排尿日誌は数日間に渡って作成する。排尿チェック表は2名が作成する。

・残尿量の測定
任意の時間に超音波測定器を用いて測定する。
もし、50ml以上の残尿が確認された場合は1〜2時間毎に排尿を確認して、
排尿が確認された時に残尿を測定する。

・実践
排尿管理マニュアルのアルゴリズムに従うが、まずは介護力だけでどこまで対応可能か試みる。
最低2週間、状態が維持されたものを効果ありと判定する。

評価方法は以下の6段階とする。(今回はバルーン事例はなし)
0 布下着のみ
1 布下着+パッド
2 パンツ式紙オムツ
3 パンツ式紙オムツ+パッド
4 テープ紙おむつ
5 バルーンカテーテル使用
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オムツ使用者推移


取り組みによるオムツ使用の推移(61名)
取り組み前
男28% 女56% 未使用16%
取り組み後
男20% 女30% 未使用50%
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年齢別推移


年齢別オムツ使用者推移(縦軸は人数、横軸は年齢)



年齢別では95歳以上の高齢者でも再度布下着使用可能となった事例もあり、
年齢はオムツはずし困難の大きな理由とは考えにくかった。

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障害老人自立度別推移


障害老人日常生活度自立度別オムツ使用者推移(縦軸は人数、横軸は日常生活自立度)



身体機能の障害程度別では、寝たきり状態の場合にオムツをはずし得た事例はなかった。
身体機能障害の程度はオムツはずし達成の重要な要因と考えられる。
ただし、紙おむつがパンツ式に変わるなど、QOLの改善が見られた事例はあり、
排尿管理のゴール設定を変更(QOL改善など)して取り組む必要があると思われる。

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痴呆老人自立度別推移


痴呆性老人日常生活度自立度別オムツ使用者推移(縦軸は人数、横軸は日常生活自立度)



痴呆の障害程度別では、非常に高度の痴呆を有し、
コミュニケーションが困難な事例でもオムツはずしが可能だった。
痴呆の程度はオムツはずし達成不可能の理由とはなりにくい。
Mの状態でオムツが外れていない事例の中には、
寝たきり状態(身体機能低下が高度)であるものとかぶさっているのが実情である。

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テープ式紙おむつ推移


テープ式紙オムツ、オムツ使用者推移(縦軸はオムツ使用段階、横軸は個々の事例)



テープ式紙おむつ使用者では、オムツはずしが達成された事例はなかった。
寝たきりの事例が多いのが理由と考えられる。
困難なグループだが、段階を下げることが不可能ではない。
どうしても無理な事例には、オムツの内容検討など他の視点からのQOLが必要である。
Nの事例は布パンツにパッド使用中で、もう少しで外れる可能性がある。
この事例は残尿測定で多量の残尿を認めたため間欠導尿を施行、
残尿が減少すると供に尿失禁が減少した。

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パンツ式紙おむつ推移


パンツ式紙オムツ、オムツ使用者推移(縦軸はオムツ使用段階、横軸は個々の事例)



パンツ式紙おむつ使用者は、オムツはずしが達成される可能性が高い。
半数以上でオムツをはずすことができた。
段階が下がった事例も含めると、もっとも効果が出やすいグループである。
このグループには、予防的使用や、少量の失禁に対して使用していたり、
痴呆による機能性尿失禁が含まれている。
オムツはずしが可能な反面、根気が必要なのもこのグループだった。
予防的使用者にきちんと説明して、協力していただいたりすることに予想以上に労力が必要だった。
しかし、最初は嫌がっていてもにオムツはずし達成後は、二度と、自らオムツ使用を望まない。

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布下着推移


布下着オムツ使用者推移(縦軸はオムツ使用段階、横軸は個々の事例)



布下着使用者のうち、2名だけパッドも併用していた。
対策により速やかにパッド使用は回避された。

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介護度推移


オムツはずしによる要介護度推移

改善

不変

悪化

達成(21名)

8
7
6

未達成(30名)

5
16
9

P=0.1093(Fisher's exact test)

オムツはずしによる介護度推移を検討してみた。

・達成されたにもかかわらず介護度が悪化しているのものは、主に痴呆症状の悪化によるものだった。
・未達成の場合、達成に比べて不変・悪化の割合が高い印象だったが、有意さは出なかった。
・排尿自立自体も介護度に関係しているので、このような判定だけでは不十分で、
更なる評価方法の検討が必要と思われる。
しかし、オムツはずしにより、入居者のADLが改善した印象は強く、
生活のリズムや活動範囲などは対策前に比べて改善したという声は多数聞かれた。

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まとめ


・対策によって、オムツ使用者51人中21人のオムツがはずれ、使用率は50%まで低下した。
また、残りの30名中13名で段階が改善し、全体で34名(66.7%)に効果があがった。
・高齢者でもオムツはずしは不可能ではなかった。
・痴呆症状は程度に係わらずオムツはずし達成の可能性があったが、
身体機能が著しく低下した事例の場合オムツはずしは困難だった。
・使用するオムツ段階が高い事例ほどオムツはずしは困難だった。
・オムツはずしでADLが改善する可能性はあるが今後の検討課題である。
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