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ドクターナビ

尿路・男性性器悪性腫瘍(癌)

前立腺癌を筆頭として、尿路・男性性器悪性腫瘍は本邦においても増加傾向にあります。
このページでは、尿路・男性性器悪性腫瘍に関して出来るだけわかりやすく記載してみました。
前立腺癌 | 腎細胞癌 | 腎盂癌 | 尿管癌 | 膀胱癌 | 尿道癌 | 陰茎癌 | 精巣癌

前立腺癌

前立腺癌 Prostatic carcinoma

前立腺は、膀胱から出てすぐの尿道を取り囲むように存在する前立腺液(精液の一部)を作る臓器です。
前立腺から発生した悪性腫瘍を前立腺癌といいます。

特徴


・男性特有の癌です。
・欧米においては男性で罹患率が最も高い癌ですが、本邦においても急激に増えています。
高齢化と、生活習慣の変化が原因として考えられています。
・比較的進行の遅い癌とされています。
・PSA(前立腺特異抗原)という腫瘍マーカーによって、高い確率で癌のスクリーニングが出来ます。
・骨に転移を起こしてくるため、腰痛などが最初の症状の場合があります。
・早期のものに対しては、手術療法や放射線療法が有用です。
また、条件を満たした場合、経過観察を行うという選択肢がある場合があります。
・男性ホルモンを抑えることによって、進行癌に対しても有効な治療が可能です。
ただし、残念ながら根治は期待できないので、再燃の可能性があります。

疫学


欧米では男性が罹患する悪性腫瘍としては大変頻度が高いものとして知られています。
近年、本邦でも急激に患者が増えています。

病因


脂質の摂取など、食生活等が影響すると考えられています。
家族性に遺伝を介して発生することも知られています。

症状


癌による症状として、排尿障害や骨転移による腰痛などがありますが、
いずれも進行したときに出てくる症状です。
最近は、検診で腫瘍マーカーの上昇を指摘されるか、
前立腺肥大症の経過中に腫瘍マーカーの上昇で指摘される場合がほとんどです。
香川県でも高松やいくつかの市町村で、PSA測定による前立腺癌検診が行われています。

診断


前立腺の触診や、経直腸超音波検査で診断します。
腫瘍マーカー(前立腺特異抗原: prostate specific antigen PSA)が
大変高い感度を示し、前立腺癌の診断に欠かせません。
PSAはいろいろな測定法がありますが、標準はTandem-Rといわれるキットで基準値は4ng/mlです。
この値を超えた場合、癌罹患の危険性が高まります。

癌が疑われた場合、前立腺生検(組織検査)を行います。
最近は系統生検といわれる方法が行われ、経直腸超音波検査を行いながら
前立腺を6から10箇所くらいに分割してそれぞれの場所から組織を採取します。
生検は経会陰か経直腸に行われます。

当院では、日帰りで経会陰的に行っています。
詳しくは「前立腺癌検診」の頁をご覧ください。

病理


前立腺に発生する癌の多くは腺癌で、いろいろな分類法がありますが、
Gleason patternによる分類が一般的です。
前立腺癌は、同一検体にいくつかのGleason patternが混じり合って見られることが普通で、
通常、主病巣と従病巣を加えた表記がなされ、これをGleason scoreと呼んでいます。
(例:pattern3がほとんどを占め、pattern4が少し混じっている状態 Gleason score 3+4)
Gleason scoreは予後を判定する手段として用いられ、数字が低いほど予後は良いと考えられています。

治療


基本的には外科的な摘除術が考慮されますが、
局所癌に対しては放射線療法も効果の高い方法と考えられます。
また男性ホルモンを除去する内分泌療法も有効ですが、時間が経つと再燃するので注意が必要です。

手術療法

・根治的前立腺摘除術(Radical prostatectomy)
前立腺を膀胱と尿道括約筋を残して摘除、膀胱頚部と尿道を吻合します。
術後に尿失禁と勃起障害が出現します。
尿失禁は時間の経過とともに多くの場合は軽快していきますが、
勃起障害は術前から予防のための準備が必要です。
勃起障害を予防するために色々な手術法が各施設によって試みられています。

放射線療法

特に内照射は、手術療法と同等の治療成績が示されており、注目されています。
尿失禁などの合併症は少ないともいえますが、
焼却に伴う直腸や膀胱の刺激、勃起障害などの合併症は見られます。

---内照射

・高線量率組織内照射
Ir-192などを用いた高線量を照射する方法です。
永久留置との大きな違いは、必要な照射量を何度かに分けて照射するため
線源は前立腺に残さないところです。

・小線源永久挿入組織内照射
最近、法改正に伴って本邦でもいくつかの施設で始まっています。
I-125シード線源等を前立腺の中に永久的に埋め込んでしまう方法です。

---外照射

体の外から前立腺局所に放射線が照射されます。

内分泌療法

前立腺癌は男性ホルモンに依存して増大・進行することが1941年に示されました。
現在でも、内分泌療法は主に転移や局所浸潤が見られ、
局所療法の効果が期待できない場合や、
高齢や身体機能の低下で手術などが出来ない場合に行われます。
奏効率は高く、良い治療方法ですが、
数年すると再燃する可能性が高いことが問題です。
色々な方法があり、状態に合わせて内容が検討されます。

・去勢術
男性ホルモンの多くは精巣で作られるため、外科的に両側の精巣を摘除します。

・エストロゲン投与
女性ホルモンの影響で男性ホルモンを低下させて作用します。
女性化の出現や循環器系の合併症に注意が必要です。

・抗アンドロゲン剤
男性ホルモンが前立腺細胞にある鍵に結合して悪さをしますが、
この鍵を阻害してブロックする方法です。

・LH-RHアゴニスト
非生理的な量のホルモン類似作用のある薬を投与して、
男性ホルモン分泌機構を麻痺させる方法です。
初期に一時的に悪化することがあるので、投与時には注意が必要です。

※内分泌療法は、局所療法の補助として
術前などに使用されることがあります(ネオアジュバント療法)。
癌を小さくしてから手術を行うという考え方です。
本当に効果があるかどうかはいまだに議論の余地があります。

化学療法

抗癌剤を用いた化学療法は、
内分泌抵抗性の進行癌に対して行われる場合があります。
また近年、再燃前立腺癌にタキソテールが用いられることがあります。

腎細胞癌

腎細胞癌(腎癌) Renal cell carcinoma

腎臓は左右の腰の部分にある握り拳大の臓器で、主に尿を作っています。
腎臓の近位尿細管から発生した悪性腫瘍を腎細胞癌といいます。

特徴


・男性が女性の倍、発生します。
・無症候性(痛みのない)肉眼的血尿が自覚症状ですが、
最近は腹部超音波などの検診で指摘されることが多くなりました。
・根治的腎摘除術が唯一の確実な治療法です。
・進行したものに対しては、手術療法の後に
インターフェロンやインターロイキンなどの補助免疫療法を行うことがあります。

疫学


男女比は2ほどで男性が女性の倍、発生します。
近年、発生頻度は少しずつではありますが高くなってきています。

病因


喫煙やいろいろな化学物質で発生するとされています。
透析中の腎臓は危険因子です。

症状


痛みのない血尿を自覚症状とします。
最近は他病精査中や健康診断などで偶然発見される例が多くなっています。

診断


腹部超音波検査で腎臓に充実性の腫瘍が見られます。
腹部CT検査も検査に重要です。

 

実際に発見された右腎細胞癌です。
かなり大きくなっていますが、自覚症状はなく、血尿もありませんでした。
他病精査中にたまたま診断でき、幸いなことに根治術が行われました。

治療


腎細胞癌も、基本的には外科的な治療が第一選択となります。

根治的腎摘除術
(Radical nephrectomy)

腎臓を腎臓周囲のGerota筋膜と一緒に摘除する方法です。
皮膚の切開は腫瘍の大きさや場所などで検討されます。
最近では腹腔鏡で行われることが多いようです。

腎部分切除術
(Partial nephrectomy)

腫瘍の大きさや位置によっては腎臓の一部だけを切除する方法や、
腫瘍だけを取り除く方法も試みられることがあります。
腎機能温存を目指して行われますが、
取り残しの注意が必要なので適応は慎重に選ばれます。

腎静脈腫瘍塞栓摘出術

腎細胞癌はしばしば腎静脈に腫瘍塞栓を形成します。
可能な限り、これらの塞栓も摘出が試みられます。

免疫療法

一部の腎細胞癌には免疫療法が有効です。
現在、IFNα、γや、IL-2を用いた治療が行われています。
奏効率は、10〜20%とされています。

腎盂癌

腎盂癌 Renalpelvic carcinoma

尿は腎臓で生成されたあと、腎盂、尿管、膀胱と流れていきます。
腎盂は生成された尿が最初に集まる部分ですが、腎盂に発生した悪性腫瘍を腎盂癌といいます。

特徴


・無症候性肉眼的血尿が自覚症状です。
・治療は、腎尿管全摘除兼膀胱部分切除術が標準です。
・手術後2人〜3人に1人くらいは膀胱に膀胱癌として再発します。
この場合、膀胱癌の治療法を行います。

尿管癌

尿管癌 Ureteral carcinoma

尿は腎臓で生成されたあと、腎盂、尿管、膀胱と流れていきます。
尿管は腎盂と膀胱をつなぎ、尿を膀胱へ運ぶ臓器ですが、
尿管に発生した悪性腫瘍を尿管癌といいます。

特徴


・無症候性肉眼的血尿が自覚症状です。
腹部超音波検査で水腎症(腎臓が腫れている)として発見されることもあります。
・治療は、腎尿管全摘除兼膀胱部分切除術が標準です。
・手術後2人〜3人に1人くらいは膀胱に膀胱癌として再発します。
この場合、膀胱癌の治療法を行います。

膀胱癌

膀胱癌 Bladder carcinoma

尿は腎臓で生成された後、腎盂、尿管、膀胱と流れていきます。
膀胱は尿を貯めて排出する臓器ですが、膀胱に発生した悪性腫瘍を膀胱癌といいます。

特徴


・無症候性(痛くない)肉眼的血尿が最初の自覚症状であることが多いです。
・よく多発しますが、表在性(腫瘍の根が奥深くはいっていない)の場合が多いです。
・多数を占める表在性癌に関しては
内視鏡による経尿道的腫瘍切除術が行われ、膀胱温存が目指されます。
・手術後、膀胱内に高い頻度で再発しますが、
まずはこれらに対しても経尿道的な手術で対応してゆきます。
・上皮内癌や表在性癌の一部に対してBCGの膀胱内注入が施行され、高い効果をあげています。

疫学


男女比は2.3ほどで、男性は女性の倍以上の発生頻度となっています。
近年、発生頻度は少しずつではありますが高くなってきています。

病因


膀胱癌発生と関連があるものは、
喫煙、化学薬品への曝露、コーヒー、細菌や寄生虫感染、膀胱結石などです。

症状


ほとんどの場合、血尿で受診します。
特徴は、痛みのない始めから終わりまで続く血尿(無症候性血尿)です。
痛みなどないのに、真っ赤な、あるいはコカコーラの様な尿が出てきたら注意が必要です。

診断


腹部超音波検査で膀胱内に腫瘍が確認されます。
小さいものはわからない場合もあるので、膀胱鏡で直接膀胱内を観察して確認します。
膀胱内に発生する腫瘍はほとんどが悪性のため、
腫瘍が確認された場合は膀胱癌の可能性が高くなります。

病理


膀胱には、

移行上皮癌(Transitional cell carcinoma)
扁平上皮癌(Squamous cell carcinoma)
腺癌(Adenocarcinoma)

が発生します。

移行上皮癌

膀胱癌の組織型としては最も多く、90%がこの移行上皮癌です。
表在性が約7割、浸潤性が約3割位です。
しばしば、多中心性に多発します。

扁平上皮癌

エジプトの住血吸虫によるものが有名ですが、
本邦でも膀胱結石や慢性感染症などによると思われるものが時々見られます。

腺癌

膀胱原発もありますが、尿膜管に発生するものが有名です。
膀胱癌としてはきわめて稀な組織型です。

治療


膀胱癌も、基本的には外科的な治療が第一選択となります。

移行上皮癌

移行上皮癌は表在性と浸潤性で大きく治療方針が異なります。
表在性の場合、膀胱温存を目指して
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)が治療の基本となります。
浸潤性の場合は膀胱全摘除術が治療の基本となります。

扁平上皮癌

扁平上皮癌は移行上皮癌に比べて悪性度が高く、
膀胱全摘除術がしばしば行われます。

腺癌

腺癌の治療は膀胱全摘除術が治療の基本と思われます。

外科的治療

・経尿道的膀胱腫瘍切除術
(Transurethral resection of the bladder tumor/TUR-Bt)
尿道から内視鏡を膀胱内に挿入、腫瘍を観察しながら焼却切除します。

・膀胱全摘除術 (Radical cystectomy)
膀胱を全摘除する方法です。
原則としては膀胱前立腺尿道全摘除が行われますが、
術後のQOLを考慮して摘除範囲は選択されます。
膀胱全摘除術をした場合は、尿路変更の選択が必要です。
QOL維持のために尿道を残し、自排尿型膀胱を作成することもあります。

・膀胱部分切除術 (Partial cystectomy)
膀胱を部分切除します。一部の膀胱癌で施行されますが、
再発の危険性もあるので、施行に当たっては充分な検討が必要です。

膀胱内注入療法

BCGやある種の抗癌剤を膀胱内に注入して治療します。
上皮内癌に対するBCG注入療法は70%程度の奏功率があります。

全身化学療法

転移や周囲臓器への浸潤が見られる場合に行われます。
多剤併用療法がいろいろと試みられています。
そのうちのM-VAC療法で50%強の奏功率がありますが、
再発頻度も高いのが現状です。

・M-VAC療法
・MEC療法等

主な尿路変向術

尿路変更は、それぞれの病期や全身状態などを考慮して選択されます。

・腎ろう術
腎臓に腰から直接管を通す方法です。両側の腰に尿袋が必要です。

・尿管皮膚ろう術
両側の尿管を皮膚に直接縫合します。新尿管口の数だけストーマが必要です。

・回腸導管
回腸の一部を切除して一方を閉じます。
反対の一方を皮膚に縫合し、両側の尿管は回腸に縫合します。
尿は回腸を通って皮膚の縫合部に流れてきますので、
ひとつのストーマが必要です。

・非失禁型自己導尿型代用膀胱
腸を切除し、縫い合わせて大きな袋(代用膀胱)を作り、尿管と縫合します。
自分では排尿せず、体の中に尿を貯めます。代用膀胱の一方は、
皮膚と連絡を持たせておき、尿は管を利用して自分で外に出します(導尿)。

・尿道排尿型代用膀胱
腸を切除し、縫い合わせて大きな袋(代用膀胱)を作り、尿管と縫合します。
尿道は残しておいて、代用膀胱と縫合して自分での排尿自立を目指します。

尿道癌

尿道癌 Urethral carcinoma

尿道は膀胱から尿を体外に出す道(臓器)です。
尿道に発生した悪性腫瘍を尿道癌と言います。

特徴


・非常に頻度の低い癌です。
女性の場合は悪性黒色腫も発生します。
・無症候性肉眼的血尿が主な症状です。
・尿道の摘出術などが行われますが、非常に稀な疾患であるため
治療は個別に充分検討される場合が多いです。

陰茎癌

陰茎癌 Penile carcinoma

陰茎に発生した悪性腫瘍を陰茎癌といいます。

特徴


・陰茎の亀頭直下が好発部位で、包茎との関係が指摘されています。
頻度的には少ない腫瘍です。
・治療は陰茎切除術が標準ですが、集学的治療(いろいろな治療の組み合わせ)として
抗癌剤や放射線療法も併用されます。

精巣癌

精巣癌 Testicular carcinoma
精巣腫瘍(良性腫瘍) Testicular tumor

精巣(睾丸)は精子が作られる臓器ですが、
造精機能だけでなく男性ホルモン(テストステロン)を産生しています。
精巣に発生した腫瘍は悪性が多いですが、良性のものも時々見られます。

特徴


・最初は無痛性の陰嚢腫大で自覚されます。
・発生は2峰性(乳児と20〜30才台)を示します。高齢者の精巣悪性リンパ腫を含めると3峰性となります。
・まず最初に高位精巣摘除術を行います。
・進行癌でも抗癌剤や放射線での治療効果がかなり期待できます。

悪性腫瘍

セミノーマ・精上皮腫(Seminoma)、胎児性癌、奇形腫、じゅうもう癌
卵黄嚢腫瘍(York sac tumor)、悪性リンパ腫(Malignant lymphoma)

良性腫瘍

セルトリ細胞腫、レイディッヒ細胞腫(Leydig cell tumor)
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